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第88回 栗の実サッカークラブ

子どもたちの自立を育み、「魅了して勝利する」サッカーを目指す

今回は東京都足立区を拠点に活動する栗の実サッカークラブの練習にお邪魔して、代表の高野さんにお話をお伺いしました。




  (写真をクリックすると拡大します)

「栗の実サッカークラブ」ってどんなチームですか?
 栗の実サッカークラブは、1980年に地域の「栗の実子ども会」のスポーツクラブとして発足しました。今では、幼児から小学年6年生まで約120人の子どもたちが、地元足立区栗原小学校の校庭を中心に活動しています。1・2年生が平日1回、3〜6年生が平日2回活動し、あと土・日に練習や試合などを入れています。
また小学校を卒業してからの子どもたちの受け皿として、ジュニアユース「チェスナッツフットボールクラブ」があり、クラブチームとして活動しています。

チームの指導方針を教えてください。
 うちのチームで大切にしていることは4つあります。「技術」「判断」「コーディネーション」「メンタル」を軸に指導しています。なかでもメンタルなどに関わってくる“自立”の部分は大事に考えています。自分のことをしっかり振り返れる選手や、自分には何ができて、何ができないのかを自ら考えれる選手、子どもたちにはそういった部分を身につけていってもらいたいと思っています。

チームのサッカースタイルはどういったものを目指していますか?
 チームのコンセプトして、「魅了して勝利する!」というのがひとつあります。そのためには、なるべくボールをバンバンと蹴らないとか、後ろからしっかりビルドアップして、ワイドに攻撃を仕掛けていく。いわば「ダッチスタイル」といいますか、オランダのサッカーを理想としています。そのためにはテクニックがないとできないと思います。

その「技術(テクニック)」を伸ばすために、どういったアプローチをしているのでしょうか?
 基本的には技術だけでなく、さまざまな総合力がサッカーで大切になってきます。技術を身につけても試合で活かせることができなかったら意味もありませんので、ゲーム形式のトレーニングでテクニックをつけることを大切に取り組んでいます。

それでは「メンタル」という部分に関しては、どういった指導しているのでしょうか?
 例えば、球際のシーンなどで、なかなか子どもたちは意識しないと自分の持っている最大限の力を出すことができないので、そういったときに、「いけるぞ、いけるぞ」といった声かけをすることがありますね。そうすることで、「ボールを奪ってやる」という強さを引き出すことができればいいですね。

子どもたちに指導しているうえで、心がけていることは何ですか?
 先ほどの自立とかぶるかもしれませんが、やはり自分で考える力を身につけてほしいですね。ピッチの中では監督がプレーするではないので、さまざまな状況の中で臨機応変に対応ができる選手に育ってほしいです。

チームのご自慢といいますか、誇れるものは何かありますか?
 例えば全少などブロック(※)の大会に出場すると、応援にいくというのが暗黙の了解になっていまして。各学年の保護者や指導者、OBなどが応援に来てくれます。多いときには100人以上の応援団になっています(笑)。やはり「チーム全員で戦う」という一体感をもって戦うのが、うちのスタイルですね。

※東京は全16ブロックの地域からなる。栗の実サッカークラブが所属するのは第1ブロック。足立区、荒川区、台東区、墨田区のクラブが登録している。

うちのチームのオススメ練習メニュー

「マーカー島オニ」

 一定の距離にマーカーを置いて四角形を作り、オニごっこを行います。オニ役1人に対して、逃げる人が5人。逃げる人は、マーカーに触っている間、オニにタッチされませんが、1つのマーカーに1人しか触れることができないので、1人余りができます。オニにつかまらないための瞬発力が必要となるでしょう。どのマーカーが空いているか状況を把握して練習をしましょう。


「栗の実4対2」

 4対2のパス回しをします。ディフェンスは2人1組になり、ディフェンスを交代する際に2人ずつ代わります。オフェンスは、周りの状況を把握することで、どこにパスが通りやすいのかを考え、味方同士パスがしやすい一定の距離を保つようにします。ディフェンスはプレッシャーをかけてオフェンスのパスコースの角度を消し、パスミスを誘えるように意識して行いましょう。

「1対1点取りゲーム」

 2グループに分かれてチームを作り、それぞれで1対1を行います。ゴールを2つ配置して、どちらを狙ってもかまいません。10点先取などのゲーム性を持たせて行います。ルールとして、ゴールの約5メートル手前にあるシュートゾーンに進入するまでは、シュートができません。1対1の攻防が終われば、攻めを担当していた人は、すぐに次に攻めてくる人のディフェンスに回ります。シュートゾーンまでのボール運びのテクニックやディフェンスのプレッシャーをどうくぐりぬけるか、シュートを決めた後でのディフェンスの切り替えをすばやく行うなどを意識しましょう。常に人がいる状況で次の行動を考えることが大切です。

編集部コメント
 練習会場でコーチと話していると、すれ違う子どもたち一人ひとりが「こんにちはー!」と元気に挨拶をしてくれました。人見知りの子が最近は多いということを聞きますが、人見知りの「ひ」の字もないくらい元気いっぱいなチームでした。また、切り替えが早いチームだな、という印象を受けました。それは練習のメニューの中での集合だったり、ゴールを組み立てるのを率先して行ったり。練習メニューの説明を真剣に聞き、また、コーチたちもどういった練習なのかを分かりやすく説明している姿勢は、真剣にサッカーを楽しんでいるということが伝わってきました。子どもの挑戦する姿勢を褒めて、子どもが次はどうすればいいのかを常に考えさせる環境を与える。この2つを自然にできているチームづくりは表現力を豊かにするんではないでしょうか。


(取材●ジュニサカ編集部 吉村、工藤)


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